茨城一家殺傷事件① 〜岡庭由征被告は無罪になってしまうのか〜
どうもこんにちは、筑前です。茨城一家殺傷事件の容疑者として逮捕された岡庭由征被告は既に起訴され、公判を待っている所です。私は「確実に死刑になるだろう」と思ってましたが、下手したら無罪になるかもしれないと言われているので、今回は彼が無罪になる可能性はあるのかというのを考察します。
そもそも、事件概要を知らない人もいるかもしれないので軽く紹介します(以下引用します)
殺傷事件が起きたのは、2019年9月23日午前0時40分ごろのことだ。
林に囲まれた住宅の2階寝室で、小林光則さん(当時48)と妻美和さん(同50)が首や胸などを刃物で刺され亡くなった。5人家族のうち、2階の別の部屋にいた当時中学1年の長男(14)は手足を切られ重傷、小学6年の次女(13)も催涙スプレーを両手にかけられ軽傷を負った。1階にいた長女(22)にけがはなかった。
岡庭被告が逮捕されたのは2021年ですが、どうして岡庭被告がこの事件の被疑者として逮捕されたのかと言うと、警察は交友関係の捜査と並行して県外を含めて過去に面識のない人を刃物などで襲うなどした事件の洗い出しを行ったところ、2011年に三郷市の路上で中学3年生の女子生徒の顎を刃物で刺して怪我を負わせ、さらにその2週間後に松戸市の路上で小学2年生の女児の脇腹など数カ所を刺して重傷を負わせた通り魔事件を起こしていた岡庭被告が浮上した。さらに岡庭被告は当時、通り魔事件も加えて猫の首を切断、連続放火事件にも関与し、自宅からはサバイバルナイフや鉈など計71本の刃物が押収されたようです。またこの事件を起こした時の名前は「岡庭吾義土」だったようですが、こうした事件の影響で「岡庭由征」に改名したようです。そしてさいたま家裁は2013年に医療少年院送致の保護処分としましたが、殺傷事件の前には少年院を出ていたようです。そして茨城県警から連絡を受けた埼玉県警は茨城県警との合同捜査班を設け、2020年11月に自宅に硫黄約45キロを貯蔵したとして埼玉県警に逮捕、さいたま地検が12月に消防法違反の罪で起訴している。その際の家宅捜査では硫黄の他に猛毒のリシンを含有するトウゴマや抽出に使う薬品などの毒物、さらに100本以上の刃物など計600点が押収されている。2021年2月には警察手帳の記章を偽造した容疑で茨城県警が逮捕、3月に水戸地検が起訴したようです。その過程で殺傷事件と岡庭被告との関わりが見られる状況証拠が見つかります。
・現場周辺で見つかったレインブーツの痕と岡庭被告が履いていたものが同じ
・次女に吹き付けられたものと同一成分の熊退治スプレーを岡庭被告が購入していた
・岡庭被告のスマートフォンから事件前に現場周辺を撮影したと見られる動画が見つかる
・犯行時は雨で、事前に岡庭被告が現場周辺の天候を検索していた
しかし、岡庭被告はこれだけの状況証拠がありながら犯行を否認しています。裁判でもおそらく弁護側が無罪主張をするんでしょう。しかし現場から岡庭被告のDNAが検出されたり凶器が 見つかったりもしていないので、上だけの状況証拠だけだと有罪にするには弱いかもしれないです。似たような被告が無罪主張している事件を挙げると2017年の福岡県小郡市妻子3人殺害事件の中田充被告です。彼は妻子3人を自宅で殺害したという容疑ですが、無罪主張をしています。しかし以下の証拠で有罪となり、死刑判決が下されました。
・中田被告は午後10時から午後11時の間に眠りについて、そこから朝まで起きていなかったと言っていたが、中田被告のスマートフォンの位置情報アプリに歩行記録がある。
・中田被告の腕には引っ掻き傷があり、妻の爪から皮膚片が検出され、それが中田被告のDNA型と一致
長くなってしまうのでこれくらいにしますが、これらは状況証拠ですが、判決では被告の腕の引っ掻き傷が「被告を犯人と裏付ける物」とされ、有罪となりました。無罪主張を覆すにはこれくらいの強い証拠が必要です。しかし岡庭被告の場合は状況証拠が弱く、岡庭被告を有罪に出来るかと言われたら微妙です。現場に岡庭被告のDNAがあった訳でもないですし、凶器も見つかってないですし。しかし、だからと言って岡庭被告が白だとは思えません。レインブーツの痕と岡庭被告の物が一致する、現場周辺を撮影した動画が見つかると言った物を見ると岡庭被告が犯人の可能性が極めて高いと思います。初公判が開かれるまでに恐らく公判前整理手続きなどで時間がかかるでしょうが、検察がどれだけ岡庭被告を有罪に出来る証拠を持って来れるか次第です。岡庭被告が無実だとは思えないので、検察は頑張って欲しいです。